ローマ帝国 

ローマ帝国(羅: Imperium Romanum)は、古代ローマの共和制後の時代以降を指す言葉である。この時代、古代ローマイタリア半島に誕生した都市国家から、地中海にまたがる領域国家へと発展した。1世紀から2世紀頃の最盛期には地中海沿岸全域に加え、ヨーロッパはヒスパニアゲルマニアガリア、ブリタンニア、クリミア、北アフリカ一帯、西アジアではメソポタミア、シリア、アルメニア、ペルシア西部などをはじめとする広大な地域を中心とした大規模な領土を皇帝(アウグストゥス)が支配していた。カエサルアウグストゥスの即位から3世紀の軍事的無政府状態まで、それはイタリアを中心的な領土(メトロポール)とし、ローマ市を唯一の首都としたプリンキパトゥスだった(紀元前27年-紀元後286年)。軍事危機の間に断片化されたが、帝国は強制的に再編成され、その後、西ローマ帝国(ミラノと後にラヴェンナに拠点を置く)と東ローマ帝国(ニコメディアとアンティオキアを中心に、後にコンスタンティノープルに拠点を置く)で支配を分ける複数の皇帝によって支配された。ローマは、オドアケルの蛮族によるラヴェンナの奪取とロムルス・アウグストゥルスの退位に続いて、コンスタンティノープルに帝国記章が送られた西暦476年まで両部分の名目上の首都のままであった。西ローマ帝国ゲルマン人の王たちに支配され、東ローマ帝国ビザンチン帝国へとヘレニズム化したことで、古代ローマの終わりと中世の始まりを告げることになる。