species

種,形象などを意味するラテン語ギリシア語の eidosに相当する論理学および認識論の主要概念。

トマス・アクィナスアリストテレスの影響のもとに感覚的認識から知性的認識への移行を,(1) 能動的知性 intellectus agensによる個別的な映像 phantasmaからの species intelligibilis (可知的形象) ,すなわち普遍者の抽象,(2) 可能的 (受動的) 知性への species impressa (印象的形象) の賦与,(3) 限定された可能性の反応としての精神の言葉,すなわち species expressa (表現された形象) という speciesの転位的現象として説明する。 species expressaが真の意味での普遍概念であり,speciesのかかる転位的現象は人間的知性が生得の概念を有さないことを示している。