大学キャンパス 

大学キャンパス  本校(6年制)の学生数は400人を越えるといわれる。分校(教育機関は1年、2年、3年)は約100人である。学生は、大学キャンパスを離れることも、家族も含め学外の人間と連絡を取ることも許されない。例外は、年に2度許される外出と年に1度家族に送る年賀状であるが、この場合も差出人住所を書くのは禁じられている。戸籍からは抹消され、家族の安否を知ることもできない。1998年当時、訓練された工作員は3,000名、作戦待機中の工作員は2,000名といわれていた。  本校では、韓国と日本に侵入する工作員を目的地の海岸まで案内する要員および工作船の乗組員を養成し、卒業後、作戦部に所属する6か所の連絡所に配属されるのに対し、分校では実際に国外で工作活動を行う要員を養成する。大学での訓練は過酷である。大学は、学生に対して格闘技や射撃、水泳、爆弾製造、壁登り、語学、地質学、無線(モールス信号)、航海術といった訓練を施し、これらはすべて「主体思想」によるイデオロギー教育と組み合わせられている。イデオロギー教育の中身は、革命歴史、労作、思想、哲学、情報学といった学課である。韓国については「米国の帝国主義の下で苦しむ貧しい操り人形たち」という洗脳教育を施し、西側社会とは金持ちの資本家たちが富を独り占めする不平等社会である、と教え込まれる。現在の教育期間は6年2カ月で、4年制大学の一般課目も教育する。第10期生・第11期生当時の教育期間は2年であった。工作員養成の教官は学生に対し、「任務のため常に命を犠牲にする覚悟を持て」と繰り返し叩き込むことを常としている。 学費・食費は無料。特に食事は無条件で将校と同じ待遇であり、豚肉、鶏肉、卵、白米といった一般国民が口にすることのできない豪勢なものが出される。

毛ガニが1人に1つずつ出されたこともあったという。