虚数とペテン師、イカサマ、詐欺師 

虚数とペテン師、イカサマ、詐欺師 

 

虚数を発見したのは

イタリアのカルダーノ

で、1545年の代数の本に、10 を積が 40 になる2つの数に分ける問題が載せられている。カルダーノは、この問題は不可能だが形式的に解を求めれば 5 + √−15 と 5 − √−15 の2つであると書いている。 同じ

イタリアのラファエル・ボンベリ

は、代数の本で、三次方程式 x3 = 15x + 4 を、カルダーノが発見した解の公式で解くと x = 2 + 11 − 1 3 + 2 − 11 − 1 3

という奇妙な式になることに気付いた。この三次方程式の解が 4, −3 + √3, −3 − √3 であることを知っていたボンベリは 2 + 11 − 1 3 = 2 + − 1 2+11=2+-1 2 − 11 − 1 3 = 2 − − 1  -1となることを発見し、カルダーノの解の公式から導かれる解が実数 x = 4 を表すことを実証した。 しかし当時は、0 や負の数ですら架空のもの、役に立たないものと考えられており、負の数の平方根である虚数はなおさらであった。ルネ・デカルトも否定的にとらえ、1637年の著書『La Géométrie』で初めて フランス語 "nombre imaginaire"(「想像上の数」)と名付けた。これが英語の "imaginary number"、日本語の「虚数」の語源になった。 その後、

オイラーによる虚数単位 i = √−1 の導入、ガウスによる複素数平面の導入、代数学の基本定理の証明を経て、徐々に多くの数学者、人々に受け入れられるようになった。 

イギリスのウィリアム・ローワン・ハミルトン

は、複素数平面にもう一つの虚数単位を添加して3次元に拡張することを試みた結果、全部で3個の虚数単位を添加して得られる四元数の集合が自然な体系であることを発見した。