コプト語

コプト語は、サイード方言では、ⲙⲛⲧⲣⲙⲛⲕⲏⲙⲉ (ment-remenkēmə)、ボハイラ方言では、ⲙⲉⲧⲣⲉⲙⲛ̀ⲭⲏⲙⲓ (met-remenkīmi) と呼ばれ、語頭の ment-/met- は、動詞 ⲙⲟⲩϯ mouti「話す」から派生した、抽象名詞を形成する接頭辞であり、「remenkēmə」「remenkīmi」は「エジプトの人々」を表し、直訳すれば「エジプトの人々の言葉」という意味である。他にも、ギリシア語由来の単語で、ⲙⲛⲧⲕⲩⲡⲧⲁⲓⲟⲛ ment kuptaion ⲙⲛⲧⲁⲓⲅⲩⲡⲧⲓⲟⲛ ment aiguption「エジプトの言葉」という名称もある。また、サイード方言には logos ən aiguptios「エジプトの言語」という呼び方もあり、logos「言語」、aiguptios「エジプト」も共にギリシア語由来の言葉である。「コプト」という語はこの aiguptios が変化したもので、コプト語エジプト語という意味である。コプト正教会の礼拝では、この言語をⲦⲉⲛⲁⲥⲡⲓ ̀ⲛⲢⲉⲙ ̀ⲛⲭⲏⲙⲓ tenaspi en remenkimi「エジプトの人々の言語」と呼んでおり、ⲁⲥⲡⲓ aspi は「言語」を表すエジプト起源の単語である。